入江高砂貝塚館
入江貝塚出土の土器(縄文前期約5,500年前)
バケツのような形に、口が平らなのが特徴です。木の棒に巻きつけた縄文を転がして文様をつけます。
入江貝塚出土の土器(縄文中期約4,500年前)
バケツのような形は変わりませんが、口が大きく波打つのが特徴です。
入江貝塚出土の土器(縄文後期約4,000年前)
木の棒で渦巻や波型の文様を描くのが特徴です。
高砂貝塚出土の土器(縄文晩期約2,800年前)
お墓に入れられていた土器で、右から2番目下のものはベンガラ(赤い顔料)が入っています。全体的に作りは小さく、壺やお皿のような形のものがあります。
入江貝塚出土の骨の道具(銛頭)
縄文前期~晩期にかけての、各時期の銛頭が出土しています。先端が二股になっているのは、矢じりをつけるためです。矢じりはアスファルトで固定していました。エゾシカの角で作られていて、オットセイやイルカ、マグロなどをとっていたと考えられています。
入江貝塚出土の骨の道具(釣針)
エゾシカの角やイノシシの牙で作られています。写真奥の大きな釣針は、軸と針先を組み合わせて使うもので、ヒラメやオヒョウ(大きなカレイ)を釣っていたと考えられています。
入江貝塚出土の骨の道具(骨針)
毛皮や布を縫い合わせるための針です。糸を通す穴も作られており、一番小さな穴は2mmほど。どうやって穴をあけたのでしょうか?
土偶(高砂貝塚出土:縄文晩期約2,800年前)
口をあけた顔と、脇をあけてガニマタの土偶。どちらもお墓の近くから出土しました。人をお墓に埋めるときに土偶を使って儀式を行ったのかもしれません。
環状土製品(入江貝塚出土:縄文中期約4,500年前)
使い方のわからない道具です。粘土をドーナッツのように輪にして、細かい文様を描いています。アクセサリーか?それともおまじないの道具か?謎の遺物です。
おまじないの道具とアクセサリー
入江・高砂貝塚から出土したちょっと変わった道具やアクセサリーたちです。ヒスイの勾玉(写真中央)は有名ですが、黒曜石で人の形を作ったもの(石偶:写真左奥)などもあります。ちなみにヒスイは新潟県でしかとれない、とても硬く貴重な石です。
猪牙製装身具(入江貝塚出土:縄文後期約4,000年前)
北海道には生息しないイノシシの牙で作られたアクセサリーです。イノシシは本州から持ち込まれたものと考えられます。人の歯の形に似ていおり、発掘された時は、ベンガラ(赤い顔料)が付着していたとか…。このような形のものは、ここでしか見つかっていません。
貝玉(入江貝塚出土:縄文後期?)
貝殻で作られた玉(アクセサリー)です。左はビノスガイ、右はイモガイで作られています。イモガイは、南の暖かい海でしかとれず、この貝も本州から持ち込まれたものと考えられます。
小児マヒにかかった人骨(入江貝塚出土:縄文後期約4,000年前)
小児マヒにかかり、十数年は寝たきりの状態だったといわれる人骨です。女性で17~18才と言われています。寝たきりだったため、ほかの縄文人に助けられながら生きていたと考えられます。縄文時代にも弱い者を助ける文化があったことがわかりました。
入江・高砂貝塚館では、これまで入江・高砂貝塚の発掘調査によって出土した資料を中心に展示しています。中でも入江貝塚の骨の道具(骨角器)は、北海道有形文化財にも指定されており、縄文の技がみられる道具は一見の価値があります。また、高砂貝塚のお墓から見つかった副葬品(ふくそうひん)をはじめ、土器・石器もたくさん展示しています。
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